今、息子に読ませるのを躊躇っている漫画とは
これである。
もう、大好き。
交通事故がきっかけで突然幽霊が見えるようになってしまったことから、
わんぱく小僧一路が様々な騒動に巻き込まれるというストーリー。
いちろの元にはたくさんの幽霊たちが生前の未練や果たせなかった願いを持って訪れる・・。
主人公のいちろのキャラクターがかわいくて、
笑えて、泣けて、
読んだ後は温かい感動に包まれる。
陳腐な表現で申し訳ないが本当に素敵な作品だ。控えめに言って名作である!
私がこの本を読んだのは、もう大人になってからだったけど、
息子が漫画を読むようになってからは
息子がいちろと同じ目線の小学生の間に
このお話を読ませてあげたいなぁと思っていた。
このお話の舞台は1970年代の日本の田舎とのこと。
(70年代生まれの私にはもう少し前の時代に思える。昭和30年から40年くらいだろうか。)
平成生まれの息子にとっては時代背景はだいぶ違うが、
同じ小学生であるいちろの物語は、きっと息子の胸に何かを残すはず。
だから息子が本棚の中からこの本を手にとってくれた時は嬉しくて、
「イイぞ、イイぞー!」と小躍りするような思いだった。
でも12月に入ってふと思い出したのだ。
このはなしの存在を。
このお話は単行本の5巻に収録されている。
(以降ややネタバレあり)
初めて読んだときも涙したが、
親となった今、改めて読むともう号泣である。
いちろは息子にプレゼントを渡してほしいと幽霊からお願いされる。
それは渡せなかった最後のクリスマスプレゼント。
息子の貴人くんが、ずーっと欲しかったけれど、
家が貧乏でサンタさんからもらえなかった
野球のグローブだ。
この話を読んでいると色々な記憶が走馬灯のように蘇ってくる。
遠い思い出。
子どもの頃、クリスマスの朝目覚めて
枕元にプレゼントがあった時の心の高鳴り。
そして親になり、はじめてサンタとなってクリスマスプレゼントを用意した夜のこと。
子どもの喜ぶ顔。
野球のグローブを欲しがる貴人くんが、
父を失った貴人くんが、息子の姿に重なる。
そして子どもをのこして先だった父親に感情移入が止まらない。
息子のささやかな願いを叶えてあげられる辛さは
せっかくのプレゼントを届けられなかった切なさは
心を閉ざして苦しむ息子に声をかけてやれない悲しみは
これからも息子の成長を見守っていけない無念さは
いかばかりだったろう。
胸が苦しくてならない。
そしてお互いの愛情が通じ合い、
父親の心残りが解消されたラストシーンでは
私も子どもへの愛情が盛り上がって、
たまらず眠っている子どもを抱きしめに寝室に走ったものである!!!
子どもに読ませるになんの問題もない、
むしろ読ませたい、愛に溢れる物語なのだけど
↑花田少年史⑤「クリスマスプレゼントにはグローブを」より
問題はこれ。
サンタさん問題!
グレムリンの映画を見せた時も途中で気づいてドキドキしたし、
バラエティ番組などでもクリスマス時期はそんな話をする方がいて、慌ててチャンネルを変えたりする。
息子はもう5年生。
うっすらと気づいてはいるようでもあり、
それでもまだ信じていたいようでもある。
サンタさんからの卒業は息子の子ども時代の終わりでもあるようで、
私たちとしても寂しく
息子が信じたいと願う間は夢を守ってあげたいような気がしている。
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迫り来る終わりを感じつつ、
今年も準備しています。
今日の体重
増えていた。悲しい。