車購入時のこと。
車の車種、カラー、グレード、オプションが全て決まり
最終的な金額が提示された後
小芝居が始まる・・・。
古畑任三郎のような上目づかいで
夫ジョニーさんが仕掛ける。
阿吽の呼吸で営業マン山田さん(仮)が答える。
間髪入れずとはこのことだ。
悩んだり、考えたりしている間もなく
語尾食い気味に被せてくる。
「もちろん精一杯がんばらせていただきますよ。
これくらいのお値引きではいかがでしょう。」
車購入時に提示されるのは
値引きを前提とした金額であって
基本的には値引きがあると考えていいらしい。
そんなことは車の知識に乏しい私でも知っている。
だが、それにしても話が早い。
開始10秒ほどで
こんなにすぐ値引きをするのであれば
最初からその値段を出してくれればいいのに、
と思いながらも
結構な額の値引きに少し浮足だつ。
でも
ジョニーさんは首を横に振った。
そうだ、開始10秒で提示してくる金額が
限界の額の訳がない。
無茶を言うほど安く買い叩きたいわけではないが、
ここはもう少し粘るべきだね、ジョニーさん!
慣れない私はもう心臓バクバクで
早く判子ついて帰りたい気分だったが
顔だけは冷静なふりをする。
コワーイ。なんか大人ってコワーイ。
「僕は山田さんから買おうと思っています!
対応してくださった方の中で
一番山田さんの説明が丁寧で・・
この方は信頼できる、
この人から買いたいね、と
妻ともはなしてたんです!ねぇ!」
熱弁し、立ち上がるジョニー。
た、たしかに言っていたけれど急にこっちに振らないでー。
「そんな風に言っていただけると嬉しいですね。では正直苦しいですが、これくらいまで・・・」
差し出される電卓。
出た!電卓でた!ドラマでよく見るやつ。
再度首を振る男。あんた、欲深だよー。
「今日僕は必ず判子をおします!
色々な店舗で色々な車を見て、
見積もりもいただきましたけれど
気持ちはこちらに固まっているんです。
僕はただ、あと少し背中を押して欲しいだけなんです。
山田さんに。」
・・・・。
「わかりました!難しいですが、
他ならぬ北野さんのためです!
特別に!頑張らせていただきたいと思います。」
「それではちょっと店長と戦ってきます!」
そうやって山田さんは奥に下がっていき・・
きっちり10分後にでてきた。
一度奥に引っ込んだのも、
時間をおいて笑顔で駆け寄ってきたのも
様式美めいたものを感じる。
戦ってない。多分戦ってない。
こんな感じだったら戦ってきたなーというかんじだけど。
もちろんそんなこともなく普通だった。
きっと
こんな感じだったかなと思う。
いや、別にいいんだけど。
値下げをすること前提の値段を提示されて
様式美とも言えるようなやりとりで
想定内のお値下げを勝ち取って。
なんなの、これ。めんどくさい!
・・とも思うけど
でもやっぱりオマケは嬉しいもの。
なんだかとっても楽しかった。
値下げしてくれてありがとう。
山田さん。
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車を選んだ時の話はこちら↓
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