ほうれい線上のアリア

愉快にお気楽に生きていきたい。北野トマレの日常。

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娘がバレエの発表会で「5時」を踊る話

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娘、コケシちゃんのバレエの発表会まで1ヶ月を切った。

最近週末は毎週のように通し稽古に通っている。

 

 

 

コケシちゃんは4歳からバレエを習っている。

コケシちゃんのバレリーナへの憧れと、

 

 

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体がカチコチに硬く猫背な母の、

しなやかな柔軟性をもつ女性への憧れからスタートした習い事だ。

 

 

 

何しろ私は開脚しても90度くらいしか足が開かないのだ。

股関節が固すぎて娘の出産時分娩台の足置きの台に

足が届かなかったという切ない過去をもつほどだ。

 

 

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いや、陣痛も痛いけど、

足そんなに開いたら取れるって!

 

かろうじて端っこに足をかけ

不安定な中いきみ、なんとか娘をひねりだしたものだ。

 

 

話が逸れたが、

兎にも角にも娘は頑張って張り切って練習している。

 

ところが土曜日練習に向かう前、

深刻そうに彼女が言いだした。

 

 

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以前にも書いたが、今回の発表会ではバレエ教室の生徒がみんなでシンデレラの一幕を踊るのだ。

 

 

ちなみに娘の役はシンデレラでも意地悪な姉でも城の人間でもない。

舞踏会の招待客でもなければ、お友達のネズミや小鳥でもない。

 

 

 

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時計の5時だ。

 

 

 

演技力問われてる!

無生物・・っていうか概念!!

5時になりきれる自信ある?

私はない。

 

 

 

 

こんな直前に役が変わるなんてことがあるだろうか。

そしてどんな役でも5時よりは重要度が高いことであろう。

今よりも出番がふえるかもしれない。

短時間で娘に振りが覚えられるだろうか。

 

 

 

心配になり尋ねた。

「何の役に変わりそうなの?」

 

 

 

娘は悲しそうに言った。

 

 

「7時だよ」

 

 

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7時?!これは8時だが。

 

 

「コケシは5時で良かったのに。」

 

 

娘ははどうやらショックを受けている様子であるが

それはお話に占める重要度的にどのような変化なのだろうか。

12時ならわかる。

12時ならシンデレラにとって大変重要な時間だ。

 

 

でも5時にはシンデレラは何をしていただろうか?

 

 

 

5時。

それは地域のスピーカーから

赤とんぼの音楽が流れてくる時間。

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遊びに行っていた子供たちはそれぞれの家へ帰っていく。

 

主婦が一番忙しく、

まとわりつく子どもと格闘しながら買い物に行き、夕飯の準備をはじめる時間。

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サラリーマンなら就業時間終了、ウキウキと会社を後にする時間だろうか?

 

私の職場である歯科医院は仕事帰りの方々で一日で一番混みあっていて、

汗と水飛沫で私の化粧はまるっととれている頃。

 

そして高田純次は俄然元気になる時間。

 

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シンデレラ家ではお母さんお姉さんたちがお城に向けて出発し、

シンデレラは夢を絶たれて泣いていた頃かもしれない。

 

知らんけど。

 

 

 

一方で7時。

調べてみたところ、舞踏会や晩餐会は7時頃から始まることが多い様子。

それなら、まさに舞踏会が始まったころ。

 

シンデレラは少し遅れて到着するだろうから

まだ着いていないにしても

美しいブルーのドレスにガラスの靴といった

最もシンデレラらしい格好でカボチャの馬車に揺られているころかもしれない。

 

 

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夕方感の強かった5時にくらべて

だいぶ暗くなって夜と呼べる時間になった7時。

 

 

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色々な理由を並べて娘を励ました。

 

 

正直母は5時でも7時でもいい。

多分並びが変わるくらいで踊りも変わらないだろう。

娘は違うポジションに漠然とした不安をいだいているだけなのだ。

 

 

5時より7時で良かったよ!と言い連ね、

なんとか娘の気持ちを盛り上げて稽古へと送り出した。

 

 

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2時間後お稽古を終えて帰ってきた娘の顔は

晴れやかに輝いていた。

 

 

「やっぱり5時になった!

  7時は嘘だった!5時でいいんだって。」

 

 

一時は手からすり抜けそうになった主役が

戻ってきたかのようなテンション。

 

 

そ、そうか。良かったね。

それでは頑張って5時になりきってくれたまえ。

 

 

 

愛と郷愁の5時、

燃えるような夕焼けの5時、

逢魔が時、怪しく美しい黄昏の5時、

魂の5時を踊ってくれ!

 

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あの子の後ろに5時が・・・5時が見える!

 

 

 

 


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