前回
息子が剃刀でなぜかお腹を切った
「息子の切腹事件」について書いたが
なぜ息子が指や手ではなくお腹を切ったのかということについては
しばらく謎のままだった。
いくら聞いても教えてくれないのだ。
だから私たち夫婦は
ちょっと早いがそういうことだろう、
そして秘密裏に処理しようとして失敗したのだろう、と
そう思っていた。
だってそれしか考えられなくない?
まぁ、それだと
もうちょっとデンジャーな部分を傷つけそうなものだが
そこはそれこそ手が滑ったのだと思う他ない。
デリケートなお年頃だし、
あまりしつこくも聞けなかった。
でもその後
あることをきっかけに
コペルが真相を話してくれたのだ。
それは彼が夏休みの宿題に書いた読書感想文である。
以下全文をここにあげる。
ぼくがエジソンの伝記を読んで一番驚いたのは、
子どものころは「最低の子」と言われていたことです。
それは大人にとっては当たり前のことを、「なぜなぜ」としつ問ばかりしていたからです。
ぼくとエジソンにはにているところが一つあります。
それは何でも試したがるところです。
エジソンは、物がどうやってもえるのか知りたかったから自分の家の小屋をもやしました。
ぼくにはその気もちがよくわかります。
ぼくもにたような事件をおこしたことがあります。
「かみそりはひげが切れるものなのに、どうしてひげの下のひふはきれないのだろう。」
せんめん台にお父さんがひげをそるためのピンクの持手のかみそりがありました。
ぼくはそれを昔からさわってみたかったのです。
ある日の夜、ぼくはお母さんとお父さんが見ていないうちに、かみそりをさわってみました。そしてわきばらをスパッーと切ってしまったのです。
まずいと思って一回かくれたけれど、
血がだくだく出てしまって自首をしました。
エジソンは火事をおこそうとして火をつけたわけではないし、ぼくだってはら切り事件をおこそうとしてわきばらを切ったわけではありません。
ぼくにやらせたはん人は好奇心です。ぼくは火事もけがも困るけど、一番こまるのは好奇心がないことだと思います。
エジソンは「成功するにも失敗するにも、何ごともどんどんはなばなしくやりなさい」と言っていました。
この言葉がドッカンとむねにひびきました。
失敗したらはずかしいなんて考えていたら何もできない。
そんなことをおそれずに、やりたいことを思いっきりやるべきだよと言うエジソンの言葉にぼくはジーンと感動しました。
ぼくはこのはら切り事件で、かみそりは引いたら切れるということと、一人で刃物を使うとおなかが切れるということを学びました。
失敗から学んだのです。
ぼくは大きくなったら祖父のような医者になりたいのですが、エジソンのように失敗をおそれずつき進んで、その失敗から学び、多くの人をたすけれるかっこいい人になりたいです。
この感想文が読書感想文のコンクールで特選をとった。
みんなに褒めてもらって嬉しそうに鼻をプクプクさせている息子にもう一度聞いてみた。
「ねぇ、好奇心から剃刀を触って見たかったのはわかったけど、
どうやったらお腹が切れちゃったの?」
それはね・・
そうか。
切腹じゃなくて抜刀だったみたい。
皆さんも好奇心を大切に。
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