この間トイストーリー4を見てきた。
今日はそのことについて書きたいと思う。
(この後ネタバレを含みます。
「トイストーリー4これから見るよー!内容はまだ知りたくないよー」という方は
映画を見た後でもう一度いらしていただけると嬉しいです。)
今を遡ること9年前
トイストーリ3が公開された時
コペルとジョニーさんと3人で映画館に見に行った。
号泣した。
成長したアンディが大学進学のため家を出る。
もはやおもちゃを必要としなくなったアンディとおもちゃ達の巣立ち、子離れの物語だった。
コペルはその頃まだ小さくて3歳くらい。
もちろんまだまだ子離れには程遠かったけれど
我が家にもいつか必ず訪れるその日を
私はウッディ達の上に見た。
気が早いよねー!
なんて親バカなんだろう!
そうジョニーさんと笑いつつも
DVDが出ればまた見て、テレビ放映される度にもまた繰り返し見た。
そしてその都度私はきっちり泣いたし、ジョニーさんも泣いた。
何度見ても泣いてしまうんだよね。
「子どもはいつか大人になる」
トイストーリーで繰り返し語られるこの言葉。
私はまだ子育てのただ中にいるけれど
日々の子育ての中で、一度もこれを意識しない母親がいるだろうか。
子どもを育てるというのは時に辛くしんどい毎日の繰り返しだ。
そんな日々を
いつか自分なしでも子どもが生きていけるように、
いつかきちんと巣立っていけるように、と
積み重ねていく。
そこには限りない愛と喜びと感動があって
でもいつか必ず終わるのだ。
このシーンではいつも私も胸がいっぱいになってしまう。
おもちゃも親も願いは一つ。
子どもの幸せ。
私は勝手にウッディに感情移入し、
想像の中でウッディの肩を抱き、ウッディと手を取り合って泣いた。
巣立つ子どもを追いかけもせず、
何も背負わせず、ただ幸せを祈って見送る。
私にとってトイストーリー3はこうありたいと願う子離れそのものだった。
そして今回の4はその後の物語だ。
子どもの巣立ちを見送った後も人生は続く。
ウッディの寂しそうな
「ボニーに必要なのは俺じゃない」
「子どもは大人になるとみんな去っていく」という台詞。
ボー・ピープの
「こども部屋の外にも世界は広がってる」という言葉。
予告編をみた時から今回は役目を終えたウッディの
「空の巣症候群」のお話なんじゃないかなーと思っていた。
ボニーという新しい持ち主を得たとはいえ、
アンディを見送り、
ボニーに必要とされなかったウッディは自分の存在意義を見失って苦しむんじゃないだろうか。
3から時が流れて、コペルも大きくなってきた。
巣立ちはまだだとしても、
わたしもいずれ「空の巣」に取り残され、
喪失感に苦しむ日がくるだろうことは
以前よりも身近にはっきりイメージできるようになった。
ならば今回もウッディとわたしは手を取り合うことができる。
取り残され、昔を懐かしく思い出しながらも
もう一度自分の人生を生きるために、
新しい人生の目的を見つけるために広い世界へ踏み出すだろうウッディにきっと私は励まされる筈だ。
見終わった後はこんな風に思えるんじゃないかしら?
そう思って見に行った。
物語は予想通りの展開を見せた。
ウッディはボニーのおもちゃであることをやめ、
誰かのための自分であることをやめ、
自分自身の輝く場所を求めて、子供部屋の外に飛びだしていく。
とっても面白かったし、おもちゃ達は可愛く、生き生きとして魅力的だった。
映像も見事で
最初から最後まで私も子どもも
とても楽しんで見ることができた。
でも見終わった時、
なんだか凄ーく寂しくなってしまったのだ。
ウッディに続くわ!という前向きな気持ちになれず、
なんだかモヤモヤと考え続けてしまう。
与えられた役割にとらわれることなく
愛する女性と広い世界へ飛び出していくウッディはとても希望に満ちていたのに。
子どもたちが私の手を離れたあとは
わたしも自分自身の喜びをみつける人生でありたいと思うのに。
どうしてかなぁとよくよく心の中を覗きこんでみたら
自分の中に
「ウッディは自分自身の幸せなんて探しにいかないで
ずっといつまでも変わらずにそこにいて
一途に持ち主を待っていて欲しい。
そしてもし持ち主が傷つき疲れて振り返った時には
こちらを見ていて欲しい」
という自分勝手な思いがあることを発見。
ハチ公のためには喜んであげるべきなのに、
なんだか寂しく感じてしまう、みたいな。
なんでなんだろう。
おもちゃに美談や忠誠心を求めているのかしら?
自分でもよくわからなくて言語化できないし、
心の狭い古い人間のようで自分が自分で嫌なのだけど
新しい世界へふみだそうとするウッディの服のすそを
後ろから引っ張るわたしがいるのだ。
やだ、もう何がいいたいのか
うまくまとまらないけど、
我が盟友ウッディの今後の幸せを祈りつつも、
大切なおもちゃがどこかに行ってしまうのは悲しい。
そんな親離れできない子どもの気持ちなのだ。
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