息子のコペルは小さい頃からサバイバルもののテレビ番組やYouTubeチャンネルなどが大好きだ。
マッチやライターを使わずに火を起こしたり、
汚れた雨水や海水を蒸留して飲水を得たり…。
あるいは木を集めて小屋を建て、漂流物から筏を作ったり
食べられる野草を見分けて
時には虫をもタンパク源としたり…。
好き。応援してる。
私たちが子どもの頃のように外で遊ぶことも少なく、
息をするように端末を操作し
友達とはオンラインで集ってゲームを楽しむデジタルネイティブな息子も
無人島や山の中でナイフやロープなど最低限の道具のみを携え、
己の知恵と身体だけを頼りにサバイブする…
そんな根源的な生命の力強さや大自然のロマンに憧れるのだなと思うとなんだか不思議な気持ちだ。
何年か前から
ずっとそんなことを言っているが
子どもにあんな大きなナイフを持たせるのはやはり危険だし、第一使いこなせないだろう。
私が思うに、彼の自分のナイフが欲しいという気持ちは
おそらくは道端でついつい「いい感じの棒」を拾っては振り回してしまう、
男の子の謎の習性の延長線上にある。
格好良く、強そうであるから欲しいだけなのだ。
カッコイイからと常に持ち歩き、友達に見せびらかしでもして余計なトラブルをおこし、
誤って自分や他人を傷つけるようなことにでもなれば取り返しがつかない。
だからコペルがナイフが欲しいといい出してから
もうかなり経つが、
彼が中学生となった今でもナイフはお預けとなっている。
数年前、キャンプをしよういう話になった時
やはりナイフが欲しいのだと訴えたコペルに
「それよりサバイバルの知識を身につけないと
どんな立派なツールもつかいこなせないんじゃない?
手に入れるならまずは本じゃない?」
そう提案して本を勧めた。
ナイフに未練たらたらの様子ではあったものの、
納得はしてくれたようで
コペルは素直に義父にサバイバル関連の本を借りにいった。
読書家で興味の幅が広い義父は沢山の本を所有している。
本棚から「サバイバル」と名のついた本を引っ張り出してきて
コペルに貸してくれた。
コペルは喜んで読み始めた。
かなり古い本だが、ことこの分野においては
あまり時代の変化は関係ないだろう。
字は小さく大人向けのようだが
拾い読むだけでもある程度の知識を得ることはできるはずだ。
全て理解できなくとも、火のつけ方、薪のくべ方、ロープワークなど基本的なことだけでも分かればよい。
…と、思っていたのだが…
本を読んでいるコペルの様子がおかしい。
不審に思って本を取り上げて
適当なページを開いてみるとこんな文字が飛び込んできた。
??
びっくりして目次をみてみると
●国際紛争に遭遇したら
●海外での危険から身をかわすには
●強盗を撃退するには
●ハイジャックから身を守るには
等々…
とにかく物騒なシチュエーションが並び
果ては
●火山の爆発に対処するには
●核攻撃に対処するには
…などととんでもない対処法までが並んでいる。
お義父さん、これじゃないヨー。
かなり古い本で時代にそぐわないというか、差別的というか
ゴルゴ13のデューク東郷が書いている本なのかな?と思うくらい
過激で極端な表現も多くあったので
それ以上コペルには読ませなかったが
あり得ないと思うような事態にさえ
詳細な対処法が示されており、
読み物としてはなかなか興味深かった。
ギャグか?
この知識が役に立つ日がこないことを祈るよ…
なんというか武井壮さんの猛獣と戦うならっていうネタを見ているような感覚で面白く
ついつい読み耽ってしまった。
笑ってしまうくらいスケールの大きい
ありとあらゆる危機的状況においてのサバイバル術が書かれていたけど
感染症が蔓延した社会で生き残るサバイバル術は載っていなかった。
この本が出版された1994年にはとても想定できない危機の最中にいることを自覚しつつ、
今年もステイホームで生き抜こうと思っている。
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