子ども達がまだ小さい頃、
子どもに添い寝しながら
私より少し体温が高くて、
抱きしめると柔らかくてすべすべしていて
骨なんかないみたいにくったりと体に沿う。
後ろ頭に顔を埋めて匂いを吸うと、日向の匂いがするのも猫に似ている。
抱きしめると幸せホルモンがピューピュー出て
日々の疲れも癒える思いがした。
そんな猫のようだった子ども達も大きくなり、
息子コペルは今や中学2年生。
ここ1年くらいで急激な成長をとげた。
背が伸びたのはもちろんだが、
細く薄かった体には筋肉がついてがっしりと厚みを増してきたし
天使の輪ができていた柔らかな猫っ毛は、太く強くなり、ワサワサと増えた。
すべすべだった薄い皮膚は厚くなり、血管が浮いて体毛も生え…
なんというか、もう子どもではない。
大人だ。そして男性になった。
それも本当に急激に。
おたまじゃくしがカエルになるくらいの、
芋虫が蝶になるくらいの、
短期間の劇的な変化だ。
去年のコペルの写真を見てはその幼さ、子どもっぽさに驚く。
ほんの1年前の写真には見えない。5歳は歳をとったように見える。
たった一年でこんなにも外見が変化することって
多分生まれてすぐ、0歳から1歳への1年と
男の子の二次性徴発現期の今この時くらいしかないんじゃないかと思う。
コペルの成長が急激であるのは
思春期早発症とその治療の影響もあるのだろう。
(早めに成長のスパートが起こって、早めに成長がストップするだろうという診断を受けているので、低身長になってしまうのを防ぐべく、骨の成長を進めず身長の伸びを加速させる男性ホルモン様の薬を服用しているのだ。)
治療の甲斐あってか、身長は現在165センチほど。まだ幸いにして成長は止まってはいないようだ。
そんな彼であるから、成長はなおさら喜ばしい。
どんどん大きくなって欲しいし、むしろ成長が止まっては困るのだけど
それでもふと、私の可愛いあの子はどこに行ってしまったのだろうとふしぎに思うことがある。
コロナ禍で埼玉の両親はもう1年くらいコペルに会えていないが
久しぶりに再開したらやはり同じように
すっかり面立ちが変わった彼に少し寂しい思いをするのではないだろうか。
この間、朝起きたら目の前に
私を起しにきて二度寝してしまったと思しきコペルが寝ていて…
その大きさといい、手触りといい、なんか
もう猫じゃない。圧が凄い。
もう日向の匂いはしない。
いつだって濡れた犬みたいな匂いがするし、
頭を撫でたら、ゴワゴワと獣のような手触り。
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