猫を飼っている方ならご存知かと思うが、猫の口って結構臭い。
昔実家で飼っていた猫も(高齢になってからは特に)
なんとも言えず臭かった。
当時は「猫特有の匂いなのかな」なんて思って、さして気にもとめずにいたけれど
歯医者になってから改めて思いかえすと
多分歯周病だったんだと思う。
調べてみると猫はむし歯にはならないらしい。
肉食の食性や唾液の緩衝能、歯の形態なんかが関係しているのだろうか。
それともむし歯の原因細菌がいないのであろうか。
その辺のことはよくわからないがとにかくむし歯の心配はないとのことだ。
…が、やはり歯周病にはなるらしい。
歯石が付着し、炎症が起きて、歯がグラグラになって抜けてしまう猫は多いし、
ひどくなると膿んで、骨が溶け顎骨に穴があいてしまうこともあるのだという。
今まで私が飼ってきた猫には
歯が抜けたり、大きな口腔トラブルがあったりした子はいなかったのだが、
猫は人間のように簡単には痛みを訴えないので
もしかしたらなんともないと思っていたのは私だけで
…なんてこともあったのかもしれないし
「猫はよく吐くものだし」と思っていたけど実は歯がグラグラでフードを丸呑みするようになったため、消化不良をおこしていただけだったりしたかもしれない。
まぁ、うちの猫がそうだったのかどうかは今となってはわからないが
歯周病で苦しむ猫はいる、ということは確か。
私には獣医さんのように猫の体に関する学術的な知識があるわけではないけれど
歯科医師として歯周病の猫が多いということは極めて合点がいくし、
ストンと胸に落ちるような思いだ。
絶対に歯磨きした方がいい。
野生の環境下では猫は歯磨きをしない、だから歯磨きは必要ないと考える方もいるかもしれない。
じつは歯科に来院される患者さんでもこの手のことを言われる方はいる。
でも原始の時代と現代では食べているものも、寿命も、人生に求める快適性も全然違う。
この現代で80才を超えても自分の歯で、痛みなく快適に食事をしたいと望むのなら、やはり歯磨きは絶対的に必要なのだ。
だから多分猫も同じ。
寿命が5年とも言われる過酷な環境をいきる野良猫ちゃんならいざ知らず
飼い猫に20年に渡って健康でいてほしい、最後まで美味しく食べて快適にすごさせてやりたいと思うならやはり歯磨きは必要なのだ。
ざっとネットを検索してみても、最近は家庭で共に暮らす犬や猫に口腔ケアは必要。歯磨きしたほうが良いという意見が主流。
となれば
愛猫ウニのお口の健康は私が守る…!
だってウニとこの先何年も一緒に楽しく暮らしていきたいし、
何より歯医者として、
みたいな事態に陥るのはプライドが耐えられない。
恥ずかしい。許せない!
そりゃあ歯磨きの必要性もわからない猫はきっと歯磨きを嫌がることであろう。
でも今まで
「うちの子歯を磨くのを嫌がって…」
「あまりに泣くので可哀想で…」
とおっしゃる親御さんに対して偉そうに
と何千回、下手したら何万回も言ってきたのだ。
色々なアプローチを試すのは良いが、磨かないという選択肢はない、と…。
猫の歯磨きも赤ちゃんの歯磨きと同じ。
諦めてはいけない。
少しずつ慣らしていくだけだ。
という訳で歯医者のプライドをかけて
猫の歯磨きへのチャレンジが始まったのであった。
②に続く…
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↓子どもの歯磨き上達について書いた過去記事。
良かったら見てみてね
②は未だ書いてないんだけどね
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