ほうれい線上のアリア

愉快にお気楽に生きていきたい。北野トマレの日常。

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完結!歯科医師として愛猫の歯磨きに奮闘する話③

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結局3回にも渡ってしまった猫の歯を磨く話、

前回と前々回はこちらから。

 

①決意編と②アイテム購入編を経て、

今回はいよいよ③「磨いてみた編」だ。

 

 

歯科医師になって20年。

今まで猫の歯を磨いたことはないけれど、

子どもの歯なら死ぬほど磨いてきた。

 

なにせこちとら歯磨きのプロ。他人に歯の磨き方を指導しておまんまを食べている身だ。

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かかってきな…!!!

 

 

 

私が思うに

まだ意思疎通のできない赤ちゃんの歯をみがくのと

猫の歯磨きは似ていると思う。多分。

 

 

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そしてそんな彼らに対して

毎日の習慣へとつなげていけるよう、

明るく楽しい雰囲気を醸し出しつつ、

手早く、的確に磨いてあげなければならないのも同じだ。

 

 

 

どこが汚れやすいのか。どうしたら効果的に磨けるのか。対赤ちゃんに培ってきたアレコレはそのまま猫に流用できるのではないかと思う。

 

 

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とりあえずやってみよう。

 

 

まずは相手をリラックスさせる。

体を撫でたりスキンシップをとりながら

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笑顔で近づく。

 

 

子どもの歯磨きでは楽しそうに磨くのが基本。

子どもを思って真剣になるのはわかるけど、いつもは優しいお父さんお母さんが歯ブラシを振りかざして血相かえて迫ってくるんじゃ怖がらせてしまうので

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叱りつけるんではなく楽しそうに導入するよう話す。

(それでもどうしても嫌がる時は笑顔のまま、

手早く磨いちゃうんだけど)

 

 

だから猫の場合もそうしてみる。

 

 

体を触る流れで自然に口元を触っていく。

うちの猫はわりあいスキンシップが好きな甘えん坊の猫であるのでここまではチョロい。

 

 

よし、君はどんな歯をしているのかなー。

見ちゃえー。

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唇をめくって見てみたら、想像以上に小さな、楊枝の頭サイズのかわいい歯がはえていた。

人間だと3番目の歯が犬歯だけれど、猫だと4番目の歯が犬歯。猫だけど犬歯。あれ?犬歯って言わんのかな?

とりあえず今まで磨いてないわりに歯肉に炎症は起きていないようで安心した。まだ若い猫だからかもしれない。

 

 

少しずつしか進めないのかなと思っていたけれど

口元を触ることに別段抵抗する様子もなかったので、

買ってきた歯磨き粉を指につけて舐めさせながら

歯を触ってみる。

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子どもの歯磨きも背後から仰向けだが、猫も背後から腕の中に抱え込むようなポジションがやりやすかった。

仰向けは一度試してみたが、口の中を触る難易度がグンとあがるようだったので諦めた。まぁ、そりゃそうか。

 

 

歯磨き粉は美味しいようでペロペロと味わっているようである。

 

内側を触るとうちの子は噛んでくるようなのですぐやめた。

職業柄噛まれることには慣れているが、猫の歯の痛さって人間とはちょっと違う。

人間の子どもの方が容赦なく噛んでくるので痛いし力も強いが、猫の歯はとがっているので強くかまれたら穴があきそうだ。

 

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まだ歯磨きチャレンジ初日であるし、あんまり機嫌を損ねては面倒なので、

触らせてくれる表側だけを歯磨き粉をつけたガーゼで軽く拭き取って、この日は終了した。

 

 

二日目は最初からガーゼで清掃していく。

うちの子は食い意地が張っているので、

歯磨き粉の美味しさに釣られてくれるようだ。

スキンシップの好きな穏やかな性格も幸いしてか、あまり抵抗することもない。

 

指で触った感じだと上顎は犬歯の後ろに

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こんな感じで歯があるようなので

 

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歯肉の境目を集中的に拭き取っていく。

(下顎は上の歯が被っているので指の感覚では正確に何本あるのか把握できなかった。)

人間だと、下顎前歯部の裏側とか上顎奥歯のほっぺた側に歯石がつきやすいのだけど猫もそうなのかしら。よくわからない。

 

この日も内側は触れないまま終了。もう少し慣れてからだろうか。

 

 

3日目から歯ブラシを使ってみた。

指で磨くのは意外とどこを磨いているのか直に感じられるし、長時間磨いていてもあまり嫌がられないのでこのままでもいいかも…と思いはじめていたのだが、

ふと思いたって歯磨きシートで拭いたあと歯垢染め出し液で磨き残しを染め出ししてみたら

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ダメだった。やっぱり歯ブラシで磨きたい。

 

歯ブラシは最初指につけるタイプを使ってみたのだが、

この商品のうりである「指で磨いているような感覚」は

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指先にブラシがついているかのごとく感じられたと思うのだが、実際は

 

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あまり感じられなかった。

 

猫の口の小ささや歯磨き中に噛まれてしまう可能性を考えればこの形になるのも仕方ないとは思うのだが、指で磨く感覚がえられないようであれば指サック型である必要はない。

 

普通の歯ブラシを使うことにした。

 

うちの猫は指を歯ブラシに変えてもそれほど嫌がらなかったが

歯の裏側に歯ブラシを入れると歯ブラシを噛むような素振りを見せ、嫌がった。

 

 

 

でもその他の場所はなんとか

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綺麗に落とせたと思う。

 

それから何日も裏側の歯磨きに挑戦しているのだが、未だに上手く磨けないでいる。

 

獣医さんがやっているYouTubeチャンネルで歯磨きの動画とかも見てみたが、

ほとんどの動画で表側の磨き方しか紹介してくださらないので、よくわからないままだ。

 

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と思って

 

美味しいと評判の猫用歯磨きペーストを購入してみたが、あまり変わらない。

 

仕方ないので

 

こういうタイプの歯ブラシを噛ませるようにして裏側を磨いている。

 

いや、噛ませているだけなのでこれを「磨いた」と言ってしまうのは歯科医師としてどうなんだ、と思うけれど

できないから仕方ない。

 

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これで裏側の汚れが十分除去できたなんていえないけれど

噛ませた後の歯ブラシを嗅いでみると

 

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少しはとれているような気もする。

 

 

そんなこんなで結局じゅうぶんな歯磨きには未だ至っていないので

今後とも試行錯誤をしていく所存だ。

 

 

人間はほとんどの人が毎日歯磨きをしていると思うが、

それでも成人の約8割が歯周病に罹患している。

そして毎日丁寧に歯磨きをしている人でも歯科で定期的にクリーニングやプロフェッショナルケアを受けなければ、健康な口腔状態を保つことは難しい。

 

細やかな歯磨きをできない猫ではなおさらだろう。

 

目に見えるほど歯石が付いているからとって欲しい、

歯がグラグラだから抜いてほしい、と受診すればどの獣医さんでも治療してくださると思う。

 

でもそういう場面だけでなく、

一見問題なくみえる状態であっても定期的に歯を診てケアをして相談に乗ってくださる、そんな歯科に強い獣医さんを今は探している。

 

 

 

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