ほうれい線上のアリア

愉快にお気楽に生きていきたい。北野トマレの日常。

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売っていなかったから開店の花輪を作った話②

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友人のカレー屋開店のお祝いに花輪を手作りすることになった。

 

↓ここまでの経緯はこちらから

 

私は大工仕事のような大きな物作りが苦手なので

花輪の脚部の制作はなんでも作れる器用な友人に託した。

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期限はプレオープンまでの一週間。

私が輪部分を、マスターが足部をそれぞれ自宅で作成し

完成させたものを持ち寄って合体させる計画だ。

 

 

輪は直径100センチで作ることにした。

初めベニヤで作ろうと思ったがノコギリで円を切り出せる自信がなくダンボールに変更。

 

大型のコンパスなんかも持っていなかったので

ピンに50センチの糸を結んだものを鉛筆と繋ぎ、円を描いてハサミで切り抜いた。

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原始的だよ!

 

 

直径1メートルでは花輪としては小ぶりで迫力に欠けるかも?と思ったが

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意外と大きくて迫力がある。

 

 

 

段ボール一枚では強度が不安だったので同じものを3枚作って

木工用ボンドで貼り合わせることにした。

剥がれてしまった時の保険として所々を針金で縫いとめ

縁をぐるっとガムテープで貼る。

さらに縁は新聞紙で補強。

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こんな感じだ。

 

途中マスターから脚部はイーゼルを改造して制作しているという写真と共に

裏面に脚部にとりつけるための針金をつけておいてほしい旨おくられてきたので

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指定の位置に針金をつけておいた。

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さてこの土台にお菓子を一面に貼り付けていけば

花輪ならぬ菓子輪が完成するわけだが

これだけではどうにも見栄えがしないので

輪の中央にお店の商売繁盛を願って福簑(福ざる)を飾り付けることにした。

 

 

 

福ざるとは熊手の代わりにざるの中に

小判や米俵などめでたいモチーフを飾りつけたアイテム。商売繁盛や収入アップを祈願する縁起物だ。

 

 

熊手だったらAmazonにも売っていたし、

縁起物パーツをバラで売っているお店もあるようだったが

開店の日が迫っていたし全て自分で作ることにした。

 

 

まず中央に福を招くお多福さん、左右に開運、商売繁盛を司る大黒さんと恵比寿さんを配置。

 

 

大黒さんと恵比寿さんはチエノワの二人の姿を模した姿に、

そしてお多福さんは二人の大好きな佐世保の老舗サウナ「サウナサン」のキャラクターサンちゃん風にアレンジしたいなと思い、

 

サウナサンの支配人足立さんに連絡をとったら

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秒でオッケーしてくれた。ノリが良くて最高。

 

 

厚紙に絵を描き…

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切り抜いてスチレンボードに貼り付け、厚みを出す

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この上から紙粘土を貼り付けて

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立体的に肉付けして着色する。

 

同様の作り方で「めでたい」鯛飾りを一組と

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熊笹やおめでたい言葉もいっぱい用意した。

 

 

また毛糸でしめ縄も作ってみた。

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右まわりにねじったもの同士を逆回りに固くねじり合わせて縄にする。

多分中尾彬が首からぶら下げているねじねじの作り方と一緒であろう。(知らんけど)

しめ縄は悪しきものが中に入らないようにするための結界であるという。

二人の店が守られるよう心を込めてねじねじした。

 

 

他にも米俵や

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小判、

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ますます繁盛を示す枡に

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どう転んでも目が出るサイコロなど

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様々な縁起物を作りグルーガンでざるに盛り付け固定して

 

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これだけでも結構ステキ。

 

このざるを

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その後周りにたくさんの駄菓子を

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隙間が目立たないように貼り付けていく。

 

平面的な配置だと中央の福ざるが駄菓子に隠されて見えづらくなったりするので

ザルの下に発泡スチロール等をかまして少し高さを出し、中央が小高くなるように立体感を意識するのがコツだ。

 

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たくさんの種類のお菓子を使いたい気持ちもあるが

ある程度種類や色を絞った方が見た目がすっきりすることがわかったのでうまい棒は3種類を使い、

あまりにごちゃごちゃと目にうるさい部分はお弁当のバランのように熊笹を挟んで

両面テープでひたすらに貼った。

 

 

およそ一週間ほどかけて花輪の頭部分が完成したので

マスターのところに持参し足と合体させた。

足の部分はイーゼルをマスターが改造して

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木を継いで伸ばした上で

お店のイメージカラーの青を使って紅白ならぬ青白にしてくれていた

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マスター有能すぎる…ッ!

 

いざ…合体!!

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これは…予想以上の出来栄え!

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量産したら商売になるのでは?

花輪枯渇地域のこの長崎で私たちは花輪屋さんを開業するべきなんじゃないかという思いに震えながらこの日は帰宅。

 

後日マスターが垂れ幕に芸術的な祝い文字を入れた状態で店舗に配達してくれた。

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うれしいよ…!!

 

チエノワの二人もとても喜んでくれて、それを見て私もとっても嬉しくて

久しぶりに誰かのためにものを作る幸せを感じることのできた製作だった。

それが大好きな人であればなおさらだ。

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チエノワの二人はもと教師

学校にも家庭にも課せられるものがどんどん多くなっていく中、子供たちを地域から支えるといった第3の場所の必要性を感じて

食堂に辿り着いたと話していた。

この花輪はお菓子を取ることでなくなって消えるけれど

お店に来た子供たちを少しでも笑顔にすることができたのなら、二人の目指すお店の一助となれたような気がしてうれしい。

 

チエノワは長崎の富士見町にあるスパイスカレーを看板メニューにすえた食堂だ。

とても素敵なお店なのでお近くにお寄りの際は是非訪れてみてほしい。

どのお料理もおいしくて、ご夫妻の人柄が本当によくて、また来たくなることうけあいだ。

 

ぜひ。