ほうれい線上のアリア

愉快にお気楽に生きていきたい。北野トマレの日常。

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息子の読書感想文に泣いてしまった話

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息子の夏休みの読書感想文が学校から返却されてきた。

谷川俊太郎さんの「おばあちゃん」という絵本を読んで書いたものである。

 

 

絵本の中のおばあちゃんと、

去年亡くなったひいおばあちゃん(トマレの祖母)の思い出を重ねて書いていて

読んでいたら、当時の息子の様子やおばあちゃんと過ごした日々、色々な想いが蘇る。

 

コンクールに出すということで先生の指導を受け、

文章の順番をいれかえたり、表現を直されたりして

当初息子が書いたものより

すっきりと読みやすく上手になってはいるが、

ここに記録として残しておきたいと思う。

以下全文である。

 

 

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今年の5月、僕のひいおばあちゃんが亡くなった。

 

お正月や夏休みに遊びに行くと、おこづかいやおかしをくれた、やさしいおばあちゃん。

おばあちゃんはもういない。

 

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そんなおばあちゃんのことを思いながら読んだのがこの本である。

 

 

ぼくのおばあちゃんは、4年前に倒れて入院した。

この本のおばあちゃんと同じようにおばあちゃんも人の名前や記憶があやふやになってしまうことがあった。

 

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ここ何年かは、おむつもつけていたし、ご飯も自力では食べられなくなって、会話もできなくなってしまった。

 

 

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僕の知っているおばあちゃんとは別人のようになってしまってとても悲しかった。

この本の中の「ぼく」はこんな状態のおばあちゃんを指して「うちゅうじん」と言ったのだと思う。

 

 

でもぼくは違うと思う。

おばあちゃんは別人になったのではなくて、

病気で心が奥底に沈んでしまっただけなのだ。

 

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おばあちゃんが言葉を話せなくなって、

一日中無表情で寝たきりになってしまってからしばらくして

こんな事件があった。

 

 

夏休みにおばあちゃんの病院に地元の中学校の吹奏楽部がえん奏しに来てくれたことがあった。

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いくつかの曲の後で、「ふるさと」の曲の演奏が始まった。

 

 

 

「うさぎ追いしかの山・・・。」

 

 

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小さな声が聞こえ、ふりむくと

なんと、それまでだれとも話せなかったおばあちゃんが歌っていたのだ。

 

 

ぼくのおばあちゃんもお母さんも驚いて泣いていた。

みんなおばあちゃんはもう話せないと思っていたのに、

おばあちゃんは歌詞を一度も間違えずに最後まで歌った。

 

 

 

 

おばあちゃんは笑顔を浮かべていた。

 

 

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だから、おばあちゃんの心は無くなってしまったわけじゃない。

病気で奥にしずんだ心は何かのきっかけで上に浮かんでくる。

 

そのきっかけは歌だったり、ぼくたちの声だったりする。

そのあとも歌を歌ってあげたり、声を聞かせてあげたりすると、

心が上がってきておばあちゃんは元のおばあちゃんの顔になった。

 

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だから何もかも変わってしまった様に見えても、変わらない所はあるのだ。

 

 

 

この本の最後にこんな言葉がのっていた。

「おかあさんもおとうさんもとしをとるとうちゅうじんになります。ぼくもいまにうちゅうじんになります。」

 

 

だれもが年をとって最後には死んでしまう。

それは悲しくて、やっぱり少し怖いけれども、ぼくは変わらないものがあるということを知っている。

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だから、おとうさんやおかあさんがしょう来うちゅうじんみたいになってもぼくはだいじょうぶだ。

 

 

 

 


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