ほうれい線上のアリア

愉快にお気楽に生きていきたい。北野トマレの日常。

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ある意味怪談よりも怖かった話

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前回からの続き

子どもたちに今までに体験した恐怖体験を聞かれて・・

 

 

「人生で一番の恐怖体験はね、

ママがパパと結婚したばかりのころのこと。」

 

 

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ジョニーさんと私は東京のアパートを借りて2人で暮らしていた。

二人とも別々の歯科医院で働いていたから

帰って来る時間はバラバラ。

でもジョニーさんのクリニックの方が診療終了時間が1時間早かったから

大抵はジョニーさんの方が早く帰ってきていた。

 

 

 

下北沢の狭い狭ーい2DKのアパート。

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でも楽しかったなぁ。

 

 

 

ある夏の日、私が家に帰ってきたら

いつもは明るい家の電気が消えていて真っ暗なまま。

鍵も閉まってる。

 

 

 

「あれ?今日はジョニーさんまだ帰ってきてないのかな?誰かと飲みにでもいったかな?」と

鍵をあけ、電気をつけて家に入った。

 

 

家の中がムワッとしていたから、まずクーラーをかけ

パジャマに着替えて、

買ってきたお惣菜を温めて、

テレビを見ながらひとりご飯。

 

 

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その時の私はこれから恐ろしいことが起こるなんて思いもせずに、

その時はまっていた海外ドラマLOSTの

シーズン2なんかをみていた。

(あのドラマ途中で見るのやめちゃったんだけど、

アレどんな結末だったのかしら)

 

 

 

ご飯も食べ終わり、ドラマを1本見終るくらいの時間がたったとき

どこかでガサッて音がした。

ゴキブリだったらヤダなー、怖いなーと思ったけれど

それほど気にはとめなかった。

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古いアパートだったしね。

 

 

 

そして私が帰ってきてからもう1時間以上経って

ドラマも第2話が始まった頃

 

 

ガタッ!

 

 

ガタガタガタガタッ!

 

 

 

勢いよく襖が開く音がした。

びっくりしてふりむくと、

そこには汗だくになった裸の男が

 

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奇声を発して押入れから飛び出してきた・・!!

 

 

 

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結婚式もまだなのに!とか

お母さんごめんなさい!とか

東京怖え・・!とか

私の被害を報じた新聞の見出しに

「美人歯科医師」と「美人」の冠がつくか、とか・・・

 

一瞬で色々な思いが頭を巡ったけど

 

 

 

とりあえず「私、死んだ!」と思った。

 

 

 

逃げなきゃ!と思ったけど腰が抜けて、

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その場にカクーン!と座り込んだら

 

 

 

 

ジョニーさんだった。

 

 

 

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殺意を覚えた。

 

 

 

 

驚かせようと思って

帰宅してからずっと押入れに隠れていたらしい。

 

 

 

それからはしばらくトラウマで

鍵を開けて誰もいない部屋に入るときは

 

 

だれかいますかー?

 

 

と声をかけてから入り、

押しいれやベッドの下を執拗にチェックする日々が続いた。

 

 

今でも思い出すだけでチビりそうになる

1番の恐怖体験よ。

 

 

 

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そう。ヤバイの。

 

 

とにかくコペルも大人になっても

はき違えた洒落にならないサプライズはしちゃダメよ。

 

 

逆上した妻にボコボコにされて

あなたがお化けになるハメになりかねないわー!

 

 

 


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