ほうれい線上のアリア

愉快にお気楽に生きていきたい。北野トマレの日常。

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いつも心に王子様を、という話

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ご覧いただきありがとうございます。

はじめましての方、もしよろしければこちらからどうぞ。

↓登場人物紹介

 

コペルとコケシは比較的兄妹仲がいい方だと思う。年齢差が4歳あるということも関係しているのかもしれないが

めったに喧嘩しないし、

よく2人で一緒に動画を見たりおしゃべりしたりしてはケラケラと笑っている。

特にコペルはコケシが大好きで

いつも起床時にはまだ寝ているコケシに抱きついてチュッチュチュッチュして起こすのが朝の日課だ。

 

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でもその後は仲良く二人で起きてくる。

 

 

そんな二人でもやはり時には揉めることもあって…

 

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特にゲームや勝負事になると

手加減なくコペルが年齢差、体格差を見せつけて圧倒的に勝利し

しつこく勝ち誇って、コケシを泣くまで自慢を繰り返したりする。

 

 

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指相撲だろうが腕相撲だろうが、ジャンプ力勝負だろうが、クイズだろうが

中学1年生と小学3年生なのだ、コペルが勝って当然だ。

それをそんなふうに勝ち誇られたら負けたコケシが「お兄ちゃんって凄い」と素直に賞賛することなどないし、

親としても褒めようがない。

 

 

僕凄いでしょ、と誇る気持ちもわからないでもないが

もう中学生なのだから少しずつ大人の対応というものも学んでいってほしいものだと思ってしまう。

 

 

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「確かに君が勝ったし、凄いけれども

そんな風にどうだ、って勝ち誇ってコケシを泣かせて君に何の得があるの?

コケシにはお兄ちゃん、意地悪、きらい!って言われるだけだし

お母さんにはコケシを泣かせるなって怒られたりして。

誰にもすごいねって言ってもらえない…そんなの損だと思わない?」

 

 

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「でもね、コミュニケーションとしてのゲームにおいては勝ち負けはあまり関係ないの。

お互いが楽しく時間を過ごすことが大切なの。

わかる?」

 

 

・・・コケシのためにワザと負けろとか手を抜けとは言わないが

ハンデをつけるなどしてお互いが楽しめる勝負のバランスを調整することは必要だろうし、

勝つなら勝つで、勝った後もそれ相応の振る舞いを考えてほしい。

学校でお友達と遊んでいるときでもこんな態度をとっているんではないだろうかと心配でもあったので

コンコンと諭した。

 

 

「あなた女の子にモテたいって言ってたでしょ?

勝つことがカッコいいんじゃないんだよ。

勝った後負けた後にどう振る舞うかでモテる男は違うんだよ。

この間Twitterでみたんだけど女の子には

いつも少女漫画の王子様になったくらいのつもりで振る舞うといいんだって。」

 

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…ま、まぁ、本当にこんな感じでやってドン引きされたら母は責任取れないけど

あくまでそんなマインドで、という話よ。

自分一人だけが楽しいんじゃなくて、相手を楽しませる意識がある人の方が一緒にいて楽しくて好かれるのは当然。

 

 

少なくとも勝ち誇って

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より100倍モテると思うし。

 

 

いつのまにか妹への思いやりの話がモテへの道の話にすり替わっていたが

「モテたい」が口癖となっているお年頃のコペルには少し響いたようで

いつもよりは真剣に聴いてくれた。

 

そして

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受け入れてくれたようだった。

 

良かった。もう勝ち誇らないのよ。

相手本位にね、相手を尊重する感じでね。

 

 

「王子様キャラでしょ」

 

コペルは少し考え込んでコケシの方を向き直り…

おもむろに叫んだ。

 

 

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……だめだ。

 

それ、モテない王子様キャラや。

どんな漫画を参考にしてるんだろう?

 

 

 

面白いから放っておこうかな。

 

 


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