先日ドライブがてら立ち寄った街で
昭和の香り漂う、古びた小さなゲームセンターを見つけ
子ども達と立ち寄った。
置いてあるのはぬいぐるみの入ったクレーンゲームが1台とガチャガチャ、
そして射的が出来るカウンターと
他には20円で遊べるゲーム機が数台のみ。
旅館にあるくらいの規模の、
デパートの屋上にあるくらいの素朴さの、
ゲームセンターCXで課長有野が訪れそうな、
いい感じの味のあるゲームセンターだ。
よくよく見ると置いてあるガチャガチャは100円玉を入れて回すとカプセルに入った10円玉が10枚出てくるというもの。
隅の方にはテレビとプレステが置いてあって、
無料でゲームを楽しむこともできる。
小さい駄菓子コーナーもあって、
近所の子ども達の憩いの場所となっている様子であった。
ここにきたのは初めてだけど、
その空気感は私が子どもの頃体感した雰囲気そのものの肌触りで
なんだか懐かしさが込み上げてくる。
硬貨を握りしめてワクワクしながら
友だちと遊びに行ったあの頃を思い出して
ほとんど涙が出そうになっちゃう。
最近本当に涙もろい。
子供をみては泣き、空が綺麗だと言っては泣く。
大丈夫か、私。
死期、近いのか？
「ゲーム一回20円だって。やってみようよ！」
安くても1回100円からのゲームセンターしか知らない子ども達は喜んで駆け寄ってきた。
軍資金にと渡した100円玉2枚を
早速両替ガチャガチャで10円玉に交換し、
コペルはケラケラパンチというモグラ叩き様のゲーム
コケシはプライズマシンで遊びだした。
コケシが挑戦しているこの機械、
なんという種類の機械なんだろう。
クレーンゲーム・・じゃないし、
プッシャーゲームの一種なんだろうか。
機体にはわくわくキャッチと掲げてある。
回転するテーブルの上におもちゃの指輪がたくさんキラキラと光っていて
ボタンを押すと真ん中にある細い金属の棒がテーブルの端まで移動していく。
この動作によって押し出されて
ダクトに落ちた景品がゲットできる
極めてシンプルなつくりのシンプルなゲームだ。
確率やアームの強さを調整された今時のゲーム機と違って、タイミングさえ合わせれば
きちんと景品が落ちてくる。
もちろんたわいもない、チープな景品なのだが
射幸心を刺激されたコケシは200円全てつぎ込み
後からコペルもこのゲームに熱中して
二人合わせて9つの指輪を手に入れた。
良かったねー
獲得した全ての指輪を両手にはめて、
漫画に出てくるとお金持ちマダムのようになっているコケシをながめていると、
コケシが一つ指輪を外し、私にくれた。
ありがとう。
オレンジ色の石のついた、可愛らしい指輪。
いくつになってもおもちゃの指輪であっても
女性は指輪をもらうと嬉しいものである。
それが可愛い我が子からのものであればなおさらだ。
指に嵌め、ジョニーさんに見せびらかしては
喜んで眺めている私に
コケシが言った。
「嬉しい？良かった。」
でもまぁ、鼻くそダイヤ付きの結婚指輪も
20円のおもちゃの指輪も
どちらも気に入っている。
私の幸せの指輪だ
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