息子は小学校1年生から6年生までずっと読書感想文のコンクールで毎年なんらかの賞をいただいてきた。
うちの息子は小さな頃から本を読むのが好きな方だったし、比較的作文も得意で
親の欲目かもしれないがなかなか面白い文章を書くなぁと思っていた。
だから読書感想文の宿題は任意であったが
小学校1年生の時に感想文に挑戦させてみたら
(書いてきた子どもが少なかったこともあったのだろうが)
たまたま学校代表に選ばれて、初めて賞状をいただけた。
その時みんなに褒められた体験が心に響いたのか、本人が書きたいと希望するようになり毎年の恒例行事となった次第だ。
娘コケシはやりたくないと言うから毎年読書感想画にしてる。
学校によっては読書感想文の宿題が全員に課されるところもあるらしい。夏休みになると感想文の宿題は憂鬱だという話をよく聞く。小学生が何のサポートもなしに原稿用紙3枚〜5枚の文章を破綻なく書き上げるのは確かに難しい。
そこで今回は我が家の読書感想文への取り組み方を披露したい。
コペルが感想文が得意だといっても、最初から最後まで自分一人で書いてしまえるわけではない。
多くの家庭でそうであるように、低学年の頃は私が側で付きっきりになって書かせたし
高学年になっても書きやすいよう、サポートはしてきた。
今回はどんなサポートをしているのか書いてみようと思う。
夏休みの感想文の宿題に困っている誰かの一助になれば幸いだ。
まず、学校の先生や教育関係の方には怒られちゃうかもしれないんだけど
これはね、以前受けていた作文教室でもダメだと言われていた禁じ手…。
「本人のこの本を読みたいという気持ち、この本の感想を書きたいという気持ちを尊重してください。親が勝手に選んではいけません。
感想文を書くというのはあくまで二次的なこと、
自発的な読書、そして本をじっくりと深く味わうという体験こそが大事なのだから。」
先生もそうおっしゃっていた。
もっともだ。その通りだと思う。
ダメなことだってわかってる。
でもね!
コペルは本を読むのが好きな方だがそれでも読むのには結構時間がかかる。
夏休みの宿題はなかなか予定通りに終わらない。
主要科目の課題を優先して進め、読書感想文にたどり着くのは夏休みももう終盤。
さぁ、始めるぞ!というときにはだいたい最終週で、だいたい時間に追われているので
「これが読みたい」と読むの何日もかかる厚い本を選んだ上に
読んだ後
ってなるのはちょっと困るのだ。
もう一度別の本を読む時間なんてない。
なので読んだことある本や短い本、感想が書きやすそうな本をいくつかピックアップし
と候補を絞ってから本人に選ばせている。
だから読書感想文コンクールには課題図書部門と自由図書部門があるのだが
自動的に我が家は毎年自由図書部門での参加となっている。
課題図書はその年代にあった良書が多いのだろうから、それを読むだけでも得るものは多いのだろうなぁ、とは思うのだけど…
でも読むのに時間がかかるんだものー!
では書きやすそうな本とはどんな本か、ということだが
読書感想文の難易度、良し悪しまでもが
選んだ本で8割決まる!そんな気がしている。
うちのコペルは本の感想を書いてごらんというと
「これこれの場面が面白かったです。どこそこの場面は楽しかったです。また読みたいです」ぐらいのお粗末なものになってしまう。、
でも日記や自分のことを書かせるといつも生き生きとした文章を書くタイプなので
本の感想に絡めて自分のことを書かせるようにしている。
今年はおばあちゃん亡くなってずいぶん考えこんでいたなー、と思えば
その体験に寄り添えそうな本を。
この年は谷川俊太郎の「おばあちゃん」という本をえらんでこんな読書感想文を書いた↓
たまたま課題図書に猫の話があった年には
その本の主人公の境遇がコペルと似ていたので
候補の中にそれを混ぜてみたら
案の定猫の本選んだ。課題図書に挑戦したのは今のところこの本だけ。↓
こんな年もあるにはあった。
つまり子供の一年を一番身近でみている親として
その子がスラスラかけそうなテーマを推測し
ぴったりの本を進めるコンシェルジュになるのだ。
この、自分の体験と絡めてかける本を選ぶという方法を始めたのは
四年生のとき書いたエジソンの読書感想文を作文の先生に見ていただいたときから。
(この時は読んだことのある本の中からエジソンを選んだ)
初めはエジソンに共感できる色々なことについて雑多に書いていたのを
このエピソードだけに焦点をあててくわしく書いてみてといわれてこの形になったのだ。
初めは切腹の話は一文だけだったのに、
この体験を詳しく書くことで感想文がグッとよくなった。
作者の意図や秘められた思いを読み解いて、作品を深く考察できる子もいるのかもしれないけど
うちの子にはなかなか難しい。
だから本と絡めて自分の体験と思いをかくことで感想文としているのだ。
次に具体的な書き方についてだ。
これはよく聞くやり方だと思うが
まず本を読みながら子どもの心が動いた場所に付箋をはってもらう。
付箋には「面白い」「可哀想」「好き」「自分の体験を思い出す」等…その心の動きを簡単に一言書き添えておく。
そしてその後、貼った付箋について親と本人で話し合う。
悲しいってどうして?
何でそう思ったの?
あなたも同じような気持ちになったことある?
それはどんな時?
一つ一つの付箋に対して質問をして
対話をしながら感想を引き出し、気持ちや体験を自分の言葉でメモさせる。
そのメモがきを集めて、分量をみながら作戦会議。
全部盛り込むとごちゃごちゃするのでいくつかに絞り込むのがコツ。
そして一度書かせてから文章のあやまりを正したり、
文章を増やしたり減らしたりして仕上げていく。
規定の分量を書き上げた時点で
本人のやる気が尽きてしまうことが多いので
最後の推敲の段階が一番大変だが、
一度でバッチリ仕上がっていることはまずないのでやはりこの作業は必要だ。
声に出して読ませて、
おかしなところや足りないところは訂正させる。
もっと良い表現があるのに、とか
すっきりと言い換えてやりたい、という欲求がムクムクと湧いてくるが
それをやると別物になってしまうのでグッと我慢する。
文章の表現についてだが、作文教室で
「ここが悲しかったです。何故なら〇〇だからです。
そしてここはすごいと思いました。だって〇〇だからです。」
のように「〇〇だからです」ばかり書かないように
指導を受けたのでそこは今でも気をつけて書かせている。
………我が家の読書感想文の取り組み方は以上だ。
参考になっただろうか。
宿題は本来は一人で取り組むもの、
親のサポートなんてけしからんと思われる方もいらっしゃるかもしれない。
でも
さあ、勝手に書きなさい!と全くサポートなしで放り出されてすぐ書ける子なんてなかなかいないのではないだろうか。
それにこうして同じ本について親子で語り合い、
子どもの考え方を聞ける時間は結構得難いもので
小学校時代毎年一緒に読書感想文に取り組んだ思い出は
私にとっても良い時間、大切な思い出となった。
子どもにとっても一冊の本を深く読み込み、自分の言葉でアウトプットした体験は何かをもたらしてくれたと信じている。
今は中学生になって対話で思考を整理する部分は自分自身でするようになったけれども
私は息子の書いた文章が好きなので、今年もどんな読書感想文ができあがるのか楽しみにしているのだ。
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