ほうれい線上のアリア

愉快にお気楽に生きていきたい。北野トマレの日常。

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とりあえず1回だけしてみたら、やっぱり楽しかった

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ジョニーさんとは大学の同級生で10年付き合った後、結婚の話が出た。

 

 

 

私はジョニーさんより2つ年上でその時29才だった。

当時私は年齢のことは特に気にしていなかったが、ジョニーさんは違った。

 

 

 

私と10年付き合ったということ、

そして私が30歳にならんとしていることに

多大なるプレッシャーを感じていたようだった。

 

 

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意外に責任感の強い彼は10年という区切りに、

これからも付き合いを続けるならば結婚しなくてはいけないし、

今決断できないのであれば

別れなければならない、と自分を追い詰めた。

 

 

 

しなければならないって何だよ。

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でもたしかに結婚の話に私はとても嬉しかった。

私たちはとても気があっていて、

仲良しだったし

お互いのことをよくわかっていた。

だから私にとって結婚はとても自然なことに感じられた。

もちろん未知のことには違いはないが、

結婚式や妊娠、出産、

結婚から続く全ての未来が楽しみでしかなかった。

 

 

 

でもジョニーさんにとっては違ったのだ。

結婚は自由を失うことであり、

可能性を閉ざされることであり、

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よくわからない重い重圧を背負わされること。

そんな風に感じられていたようだ。

 

 

 

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九州からジョニー父とジョニー母を呼び、

両家の顔合わせの場を設けた時、

追い詰められたジョニーさんは

「僕は結婚なんてできません!!」と叫び

その場から逃走した。

 

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顔面蒼白になるジョニー両親。

呆然とし、言葉もないトマレ両親。

 

 

 

なんとも言えない空気の中

私はとりあえず後を追った。

 

 

 

ジョニーさんは細い路地の道端に座り込んでいた。

 

 

 

私は怒っていたし、傷ついていた。

けれど、

「偉いことになったぞ、これからどうしよう」と震えているジョニーさんの姿を見たら

今思いだしてもなぜだかわからないのだけど

この人と結婚するのだという確信がわいた。

 

 

 

そして

「ダメだったら離婚していいから、とりあえず一回!一回だけ結婚してみよう!ぜったい楽しいから。

そしてやっぱり結婚します、と言ってあの場に戻ろう」と

ジョニーさんに逆プロポーズをした。

 

 

 

強引だった。

壁ドンこそしなかったが

繰り返し、繰り返し

どっせい!どっせい!力づくで押した。

説得した。

 

 

 

 

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そして私は寄り切った。

 

 

 

それから1ヶ月後、12年前の昨日

私たちは入籍をした。

そしてその翌日の今日は結納だった。

 

 

 

入籍後の結納。

気が変わらないうちに、まず入籍をさせちまおう

という私の目論みや両家の思惑がすけてみえるスケジューリングに今となっては笑ってしまう。

 

 

とにかく昨日2月11日は入籍記念日。

 

 

 

ダメだったら別れたらいいからとりあえず、の結婚がもう12年続いた。

色々あったけど、私はこの12年間が

とても楽しかったことに自信がある。

 

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君はどうだい?ジョニーくん。

結婚して良かっただろう?

 

 

 


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