ほうれい線上のアリア

愉快にお気楽に生きていきたい。北野トマレの日常。

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「ママがいい」という話

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私は小児歯科医をしている。

 


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嘘、本当はもっと無理目なくらい声のトーンを上げて

うたのお姉さんばりにテンション高い感じでやってる。

 

 

 

 

来院する子の中には「ここに来るのが楽しみ!」と笑顔で来院してくれる子もいれば、

とにかく歯科が苦手で、検診でも泣き出してしまう子もいる。

 

 


もちろんこっちも恐怖心を和らげ、

リラックスさせてあげたい、仲良くなりたいと

あの手この手をつかうけど

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やっぱりどうしようもないこともある。

 

 

 

場所見知り、人見知りが発動している低年齢児は特に

いつもと違う場所にいるだけで不安になったり

家族以外の人と目を合わせた瞬間から泣いてしまったりもすることもある。

 

 

 

それくらいでも泣いちゃうのに

耳障りな音が鳴り響き、変な匂いのたちこめる

見慣れぬ金属の器具が並ぶ空間で

無防備に仰向けにされて、

よく知らないおばちゃんに口の中を触られるのなんて

恐怖でしかないだろう、分かる。

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触っちゃうぞ。

 

仕方ない。普通泣く。

 

 

 

子どもができる前

診療していていつも不思議でたまらなかったことがある。





子どもってこういうとき必ず

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って泣くのだ。

 

 

 

「こんにちはー。」と挨拶するなり

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いや、まだ何もいってないし、顔見ただけだし。

べつにママと私どっちがいい?とか選択迫ってないし。

 

 

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と私が宣言してからの・・

 

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ならわかるよ。

 

 

でも私はにこやかに君に挨拶をしただけだし、

ママは側にいるし、なんならずっと君を抱っこしてくれているじゃないか。

 

今君が言うとしたら

「この人やだー。」とか「こわいー。」とかじゃないのか?

 

 

治療をしていても

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いや、そこは「いやだー」とか「痛いー」とか「帰りたいー!」じゃないの?

ママがいいって、あなた

ママにだって歯を削られたら多分いやじゃね?

 

 

 

でもやっぱり子どもは怖いとか嫌だじゃなくて

ママがいいー!って泣く。

 

 

歯医者さんになって16年経つけど
16年前から変わらず、子どもはみんなママがいいーって泣く。
(ごめん、みんなっていうのは大げさか。泣かないパターンもパパ呼びパターンもじいちゃんばあちゃん召喚パターンもあり。)




16年の間に私も結婚して母になったけど

うちの子も誰に教えられたわけでもないのに

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って泣いていた。



 

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ああ、君はお母さんが大好きなんだな。

 

 

その泣き声に絶対的なお母さんへの愛情と信頼を感じて

なんだかキュンとする。
うちの子はもうママがいいって泣いたりしないけど
真っ直ぐ愛情をぶつけられていた頃を思い出して
ほっこりと胸が温かくなる。




「そうか、そうだよねー!
ママがいいよね!よし、頑張って早く終わって
終わったらいっぱいママに抱っこしてもらおうねー!」

 

そう声をかけながら昨日もいっぱい子どもをみた。

上手にできた子も、泣いちゃった子も

帰るときはみんなニコニコで手を振ってくれた。

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幸せ。

 

 

 


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